安倍政権〜その長期政権の理由

雑記

2020年9月、7年8か月に渡る長期政権が終わる。

安倍首相の前の総理大臣の在日期間は以下の通り。(時系列遡り)

  • 野田佳彦 482日
  • 菅直人 452日
  • 鳩山由紀夫 266日
  • 麻生太郎 358日
  • 福田康夫 365日

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/内閣総理大臣の一覧

その前が第一次安倍政権で、その前が小泉元首相の1980日の約5年。これを除けば日本の首相在任期間はほとんど2年も保っていない。
そのような歴史の中では、この事実だけでもすごいことだ。

これだけの長期政権を敷けたのは、

①経済優先主義
②民主党政権の反動
③政権中枢(麻生財務大臣、菅官房長官)の不変
④党中枢(幹事長)の不変による党内融和

だろう。

結果として2度の消費増税、集団的自衛権の行使容認などの安保関連法案の成立、特定秘密保護法の成立などの難題をこなした。

政権の安定は経済及び社会生活の安定・発展、世界における日本国のプレゼンス向上、世界平和に欠かすことができない。
上記②以外は、是非とも次の内閣も参考にされて政権運営に活かして欲しい。

①経済優先主義

経済がよくないと株価が上がらない。株価が上がらないと民間の活気が出ない。設備投資などが活発にならず、どんどん経済が縮小していく。失業率が高くなり、日本の場合は自殺率も上昇する。
国の安定は人々の暮らしが安定することであるから、なにはなくとも経済安定が第一義になる。安倍政権の前の長期政権である小泉政権の時代も景気がよかった。
バブル前までは人口増加により、何もしなくても経済はうまく回っていたため、経済優先をあえて掲げなくてもよかった。人口減少下のこの国では好景気を政策から支えていく必要がある。

②民主党政権の反動

安倍政権の前の民主党政権の終盤には国民全体が失望していた。民主党政権開始時の期待が大きかったため、その不甲斐ない政権運営への落胆は大きかった。
逆にそこから政権を奪取した自民党安倍政権のはじめは、民主党政権のそれと同じく国民の期待が追い風になった。

③政権中枢(麻生財務大臣、菅官房長官)の不変
④党中枢(幹事長)の不変による党内融和

これは党・政権の中枢となるポジションは首相同様、長く続けるということだ。
菅官房長官の安定さはここに記すまでもない。
麻生副総理・財務大臣は、幾度の失言や財務省の不祥事があっても安倍首相は決して辞めさせなかった。派閥の領袖をしっかりつかまえておくことで党内融和を優先したということだろう。

安倍政権の幹事長は以下の3名だ。

  • 石破茂 2012年〜
  • 谷垣禎一 2014年〜
  • 二階俊博 2016年〜

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/自由民主党幹事長

石破元幹事長は政権奪取前の就任なので、安倍首相が自民党総裁として幹事長を決定しているのは、谷垣元幹事長と二階幹事長の2名だけだ。そして谷垣元幹事長は総裁経験者に対する異例の配置、二階幹事長の4年間というのは過去最長である。
自民党は与党であり続けたとしても、冒頭に書いたように歴代の首相が長期政権を維持できていない。長期政権を維持するには党内融和を優先させる必要がある。党内融和を徹底するには党の最高ポジションである幹事長が安定した党運営をする必要があり、そのためには長期でこの任務を全うする必要がある。

内閣総理大臣として副総理と官房長官、党総裁として幹事長の中枢は変えずに運営することで、6度の国政選挙に勝利し、党内の不満を抑え込んで長期政権を敷くことができたのだ。

※役職、敬称は記事投稿当時のものです


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