ぼくは39歳になって初めて気づいたことがある。
それは、自分がおそらく軽度の「アスペルガー症候群」ということだ。(現在は「自閉症スペクトラム障害」ともいう)
たまたま以下の記事を読んだ。
まさに自分のことだと思った。
アスペルガー症候群とは、上の文章の中では、先天性発達障害の一つとして、以下のように定義されている。
(1) 他の人との社会的関係をもつこと
アスペルガー症候群の彼を、殺そうとした私
– 相手の気持ちや意図を想像することが苦手で、その場にあった振る舞いができない
– 自分が発した内容を、相手がどう感じるかを想像できず、率直すぎる発言をする
– 「空気」や「しきたり」など、暗黙の了解を感じたり理解するのが苦手
(2) コミュニケーションをとること
– 難しい言い回しや独特な言葉の使い方をするため、理解されにくい
– 同じことを繰り返し話したり、納得できるまで言い続ける
– 相手の声やトーン、身振り等を使った非言語的コミュニケーションを理解しにくい
– 耳から入ってくる情報の処理が苦手。視覚的情報処理を好む
(3) 想像力と創造性
– 決められた手順やスケジュール等に強くこだわる。
– 新しい登場人物や状況、予想外の事態への臨機応変な対応が苦手
– 物語の一部にこだわり、全体像を把握することが苦手
– 興味の対象が狭く、深く追求するくせがある
(1)は全部、(2)は一つ目が少し、(3)もほぼ全部が当てはまる。
ネット上にあるアスペルガー症候群のチェックリストをやってみたところ、やはり高い数値が出た。
病院での正式な検査には行っていない。
治療できるものではない以上、行って何か変わるわけでもない、と思う。
すぐに本音を言ってしまうのも、
他人の感情が理解できないのも、
なんとなく予定を変えたくないのも、
変なところで細かいところが気になるのも、
全部、自分の性格、性向だと思っていたが、実は先天的な障害だったのだ。
他人の感情が理解できなかったり、
人に優しくできない(優しさとは想像力である)のは、
自分の想像力が欠如しているのだと決めつけていたが先天的なものだった。
家族との関係や会社員として組織の一員でいること、
そもそも人生に対して生きづらさを感じていたこと、
コミュ症なこととか、同級生との付き合いづらさ、、、。
上の記事の男性ほど突き抜けてないから、そのままを表現したことはないけど、何も制御しなくてよいなら全く同じようになると思う。
そして、この記事の男性のようにとくにショックを受けるということはない。
人とコミュニケーションを取るときに常に感じていた違和感の原因が先天的な障害ということに驚いたということはあるけれど。
(40年近く生きてきて初めて自分の脳に欠陥があったと知ることを想像してみてほしい。だれでも驚くことだろう。)
ただ、自閉症スペクトラムという名称の通り、連続的な症状なので、あくまでその傾向があるということだろうと思う。
そして該当者というのはそれなりの割合で存在するのでは?自分だけがそんなに特殊だろうか?と思っている。
ぼくは今会社員だけど、会社で働き始めたころ、初めて自分の人生や働くことについてよく考えたとき、自分の性格的に研究者のような、一つのことを探求する仕事が向いているのだろうとその時も、今も変わらず思っているが、研究者にはアスペルガーの人が多いという記事もあり、やはり、という感じである。
ただ性格、性向の原因がわかっただけで、性格は変わらないわけだから、生きづらさが生きやすくなるわけではない。
だからこの事実を踏まえて、今後の身の振る舞いを考えよう、と意気込んだところで何も変わりはしないわけで、
心理学でいうところの原因論でしかなく、
逆に、これを理由に開き直って全く他人に気を使わないようしたり、レッテル貼りしてなんでもこのことに紐つけたりすべきでもないと思う。
結局これまで生きてきてなんとか培ってきた、
普通の人は何の苦労もなくできることらしいが、
他人の発する言葉、表れる行動そのものしか見ないのではなく、その言外や表出しない意図を、
これからも意識して汲み取っていくしかないのだ。
—
ASD関連記事はこちらです