ぼくのカードには、VISAと三菱UFJニコスのマークがついています。
「VISA」は、ぼくが決済するお店がVISAと契約しているお店でのみ使用できることを表し、
「三菱UFJニコス」はカードの発行会社で、ぼくは三菱UFJニコスにカード発行を請求したからカードが手元にあり、
決済金額は三菱UFJニコスに登録した銀行口座から引き落とされ、
毎月の利用明細は三菱UFJニコスから提供を受けています。
それはわかるのですが、iDとQUICPayを紹介したときにみたように、
日本にはクレジットカードの発行会社というものが多数存在します。
カード発行会社と、このカードで言えばVISAとの関係について、またお店とカード発行会社またはVISAとの関係について、ちゃんと知らないので調べてみました。
登場人物
クレジットカードの基礎を調べてみると、だいたい以下のような図が出てきます。
日本クレジット協会の図ですが、
クレジットカード会社には
・アクワイアラ と
・イシュア
があるという説明です。
お店と契約する会社→アクワイアラ
カードを発行する会社→イシュア です。
しかし、この図には決済代行サービス事業者(↓の図では決済代行業者)が現れていないので、
現実に即した以下の図の方がいいと思います。
そして、アクワイアラとイシュアという、わかりにくい役割名を上に書きましたが、
日本ではほとんどアクワイアラとイシュアは同じ会社なので、一旦は忘れていいです。
それよりは「フランチャイズ」や「加盟店開放」の方がカード発行会社の分類という観点では大きな意味を持ちます。
なので「お店(加盟店)」と「消費者」を除くと、登場人物は
- 国際ブランド
- カード発行会社(フランチャイズ、加盟店開放などいくつかのパターンがある)
- 決済代行サービス事業者
の3者です。
国際ブランド
国際ブランドとは世界中で決済できるネットワークをもつ会社のことです。
5大国際ブランドという場合は以下の5つを言います。
中国銀聯(UnionPay)とDiscover Cardを加えた7大国際ブランドを言うこともあります。
中国銀聯は日本でも提携しているカード会社がありますが、
Discover Cardは2020/8時点、日本で提携しているカード会社はありません。
カード発行会社
VISAのホームページには加盟店契約会社(これをアクワイアラと言います)として、
よく見るカード発行会社が掲載されています。
Mastercardの方も同じです。
でもここにないVISAやMastercardのブランドを発行しているカード会社が、
世の中にはたくさんありますよね。
この違いはなんなのでしょうか?
加盟店開放
ここで必要になるのが加盟店開放という考えです。
加盟店とは、クレジットカードで決済できるお店のことです。
国際ブランドであるVISAやMastercardとカード発行会社は、
加盟店を増やして、決済できる機会を増やすことが自社の利益につながります。
上のVISAやMastercardの加盟店契約会社に掲載されていないカード発行会社は、
掲載されているカード発行会社から加盟店を開放され、
そのブランドが使えるカードの発行を許可されています。
これを加盟店開放と言います。
カード会社別の、
・国際ブランドから直接発行を許可されている会社 と
・加盟店開放を受けている会社
の一覧はWikipediaにまとまっています。
Wikipedia – 日本の主要なクレジットカード等購入あっせん業者の国際ブランド提携状況
この表をみると例えば、
VISAと加盟店契約をし、カード発行も許可されているのが三井住友カード
その加盟店開放を受けているのがりそなカード(のVISA)
であることがわかります。
JCBの場合のフランチャイズ契約
VISAとMastercardは自社でカードを発行していません(決済ネットワークの提供に特化している)。
でも、日本発の国際ブランドであるJCBは自社でカードを発行しています。
そして、JCBブランドのカード発行を許可されているカード会社の中には、
・JCBとフランチャイズ契約を行ってカードを発行している会社 と、
・JCBが加盟店開放を行いカードを発行している会社
の2種類があります。
上のWikipediaの表でいうと例えば、
りそなカードはJCBのフランチャイズ店
イオン銀行はJCBの加盟店開放でカード発行できている
のがわかります。
決済代行サービス事業者
決済代行サービス事業者=PSP(Payment Service Provider)
とも言います。
決済代行サービス事業者は、
加盟店とカード会社(アクワイアラ)との間で決済・収納・加盟店との契約等を代行する会社
です。
冒頭の図の再掲です。
お店の人が、クレジットカード対応したいと思った時に、
VISAやMastercard、JCBなどそれぞれの国際ブランドと加盟店契約したり、
クレジットカード以外の電子マネーともそれぞれ契約するのはとても面倒だということは想像に難くないですよね。
複数のクレジットカードの国際ブランドや、各種の決済チャネルの加盟店契約を代行してくれる会社に頼む方が楽だということになります。
決済代行サービス事業者とはそういう会社です。
代表的な会社は以下のようなところがあります。
実際は”決済代行サービス” “一括見積もり”で検索するとたくさんの相見積もりサイトが出てくるので、
小規模なところはもっとあるのだろうと思います。
また、私たちがお店で決済するときに、カードを通したり、電子マネーをかざす端末が、
いくつかの種類しかないことに気づくと思いますが、あの端末のメーカーは5社程度とのことです。
決済代行サービス事業者がこれらのいずれかを採用しているということですね。
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以上が国際ブランド、カード発行会社、決済サービス代行業者とその関係性の説明です。